先日、ある楽器店の方に紹介いただいたSelmer社のsuper balanced action、
シリアルからは1954年ごろの製造なので当時の次の世代のMarkⅥの製造開始とかぶる年代、しかもsilver platedというレアなアルトを試奏しました。
silverということもあってか、鳴りは当時の次世代のMarkⅥに近く、むしろ さらに現代的に思えました。10年ほど前に、同じ年代のやはりsilver platedのsbaを吹いたことがありますが、ほぼ同じ鳴りだったので、近いロットだったのかもしれません。
selmer社は年代に限らず、時々silver platedを出していますが、silver platedということの音色の支配力はかなり大きいように思います。
音圧感が、silver platedの特徴なので、そこが好きなフィールの方には いい感じだと思います。
(画像の左は私物のsba)
前半は「レコードを聴いてるみたいです」という感想をいただいたくらいメロディcomposeな感じでソロを構築→後半〜アンコールにかけては、強力なリズムトリオとお客さんのおかげで盛り上げてもらいました。ありがとうございます。
サックスの専門的な話ですが、3年前に、20年使ったマークⅥからSuper Balanced Action(sba)に持ち替えての、初のwith drumのフルカルテットでしたが、コントロールもいい感じでした。
sbaとMarkⅥでは息の入れ方や倍音のピッチ感が違っていて、慣れるのに2年弱かなりかかりましたが、トライアルは現場に限りますね。
曲
●Dindi --fast swing version
●Line for lyons by Gerry Mulligan
●Embarcadero by PaulDesmond
●My foolish heart
●Afternoon in Paris
他
member
with pf 藤嵜佳里、b 吹田善仁、ds 木村優一郎
◎藤原スケジュール次回は7/29の夕方カフェ・タイムにギター森下周央彌氏と神戸です!
お楽しみに!
画像はMC Gregory, Soloist table stamped
ブラス楽器は音色にはっきりした好みを持った方が多いですね。音色だけでなくリズム、ピッチ等自分のイメージ通りに楽器をオペレートするには質と量を考えた練習、、、
でも、練習と併行して楽器のセッティング / 組み合わせを意識することも早道のひとつだと思います。
「本物の鳴りを知っている」と、良い音のイメージが出来上がるので、後にどのようなメーカーの楽器を吹いても、より原点に近いサウンドを出せます。
【ジャズサックス・アルトの典型的な組み合わせ例】
●楽器 Selmer MarkⅥ
・マウスピース New York Meyer 5M
テクニカル、音量、芸術面のどれもクリヤーできる組み合わせ。
vintageマウスピースのNew York Meyerはリッチに良く鳴るだけでなく芸術的な色気があります。現行マウスピースで鳴りと芸術性の両立の面でこれを超えるものはありません。
・ケニーギャレット氏はマークⅥにSelmer soloist table stampedの組み合わせなので、マークⅥのエッジが少しおさえられていますね。
●楽器 Conn
・マウスピース Brilhart トナリン
より音量と存在感が出せる組み合わせ。
芸術的な鳴りも両立。ただし運指はかなり慣れが必要。
リーコニッツも普段はセルマーでしたが、アートペッパーとの録音はConnを使用。
●楽器 Selmer super balanced action(sba)
・マウスピースは
Selmer soloist table stamped
またはMCグレゴリー
スイートで色気があり、ヨーロピアンな繊細さが好きな方に最適。
・sbaは音の密度があり、手元の楽器を深く鳴らす、という感覚。MarkⅥは音を飛ばす、という感覚、コンセプトの異なる楽器です。
●他にスイートな楽器といえばブッシャーがあります。swing styleの方でこの楽器に惚れ込んでおられる知人もいます。
ところで、////////////
これらは、現在はなかなか手に入りにくく、市場では高価です、、
そこで、音色に1番影響が大きいのは
リードの次にマウスピースですので、
楽器本体を現行品でいく場合、
●マウスピースだけでもNew York MeyerかSelmer soloist table stampedを使うことでかなりいい感じになります。
ただこれも、二つとも偽物も出回っていますし、削られていて本来の鳴りが無かったりするので、慣れた方にアドバイスや、できれば同行してもらえればいいですね。
●さらにしかし、ビンテージのマウスピースピースも、高騰気味、、、
楽器もマウスピースも、現行品で行く場合の組み合わせ例です
→楽器が重め(現行セルマーシリーズⅡ、レファレンスなど)の場合はマウスピース現行メイヤー系をあてると、ラウドな音でテクニカルな追求にも最適
→楽器が軽め(セルマーシリーズⅢ、アンティグアなど)の場合はマウスピース現行ソリストやS80系をあてると、ウエスト・コーストなフィールに最適
●さらに、掘り下げると、、リガチャーも現行のマウスピースの能力を引き出してくれます。
フランソワルイやエコーブラス、ブルズアイ、バンドレンを使うことが多いのですが、どれも現行品のマウスピースでかなりいいフィールで吹けます。吹奏楽の生徒さんで多いBGトラディションも好みが合えばすぐれたリガチャーだと思います。